高校1年生が『今』知っておくべきこと

期待を胸に高校の門をくぐったのがつい先日のことのように思われますが、多くの高校ではすでに中間・期末と2回の定期考査が実施されました。中間考査は範囲も狭く「高校といってもこの程度か」と感じた人も少なくなかったかもしれません。期末考査は少し高校らしくなってきたでしょうか? ただ本当の高校のペースはこんなものではありません。2学期・3学期と進むにつれて一気にペースは上がっていきます。万一、現段階ですでに不安を抱えているのであれば、今すぐに手当てしておくことをお勧めします。これから長い高校生活を有意義なものとしていくためにも、不安は早めに解消しておいてください。

そして楽しい高校生活を送るためにも、今からいう3点だけは頭の中に必ず入れておいてください。

1.どの高校でも1位から最下位までいる

中学のテストは「順位」が原則非公開でした。テストが終わって先生に聞きに行けば個人的に教えてくれるというのが普通だったと思います。
しかし、高校は違います。多くの高校ではテストが終わると、教科ごとや全教科合計の得点・平均点・順位、偏差値などが一覧表として配られます。その結果、1位から最下位まで順位が付けられます。このことは、中学校で成績が良かった人たちが集まった高校でも、不本意な順位になってしまう人が一定数必ずいることを意味します。逆に、中学のとき成績があまり良くなかった人でも、一定数の人は高校に入り学年で上位の順位を得ることができます。そしてこの学年内での順位は、思ったよりも早い段階で『固定化』していくのです。

2.『文理選択』はすぐに来る

高校のカリキュラムは、2年生から大学の志望学部によって「文系クラス」と「理系クラス」に分けられます。そしてこの「文系」を選ぶのか「理系」を選ぶのかという『文理選択』は、早いところでは9~10月頃に1回目の希望調査が行われ、1年生の年末から年明けにかけて最終決定が求められます。
将来の方向性にまで大きな影響を与える可能性がある『文理選択』。この『文理選択』はあと数か月後に迫っているということを意識しておいてください
大学の学部にどのような学部があり、自分がどの方面に関心や適性があるのか。「そんなの高校生になったばかりでわからないよ~」という生徒さんは多いです。ある意味当然だと思います。しかし、そういった実情などおかまいなしに、『文理選択』は迫られます。中には「わからないんだったらとりあえず『理系』にしておけ。後で文系に変えられるから」と囁く人もいますが、そこは慎重に考えてください。

3.高校の学習はある意味『ゼロ発』である

『勉強は積み上げだ』とよく言われます。確かに高校の学習内容を理解するには、中学までの学習内容の理解が「ある程度」前提となります。しかし逆に言えば「ある程度」の理解があれば(高校入試を突破しているので「ある」と考えていいでしょう)、むしろ高校に入った後『ゼロから』新たに学習を始めるくらいの感覚の方がいいと思います
中学のとき「数学」が苦手だったという人でも、最初こそ若干苦戦するかもしれませんが、コンスタントに努力を続けていけば徐々に上位に食い込んでいくことは十分可能です。これまで教えてきた生徒さんの中にそういった生徒さんはかなりの数います。一方中学のとき「数学」が得意だった生徒さんでも、高校に入って手を抜いていると「あっという間」にわからなくなり気が付けば順位も沈んでいる、というのもよくある話です。もちろん数学だけではありません。すべての教科が『ゼロからの再出発』であると考えてください

中学生だった3年間に比べ、高校生活の3年間は『3倍』くらいの速さで進んでいくと思っておいてください。その上で、皆さんのかけがえのない高校生活が充実したものになることを心から祈っています。